スラックスの裾上げは自分でできる?手縫いとテープの手順

股下が未加工のスラックスが通販で届き、裾が靴の甲を越えて床に触れています。裾上げのお直しを頼めば受け取りまで数日かかるので、今夜のうちに自分で済ませたくなる場面です。
自分でやるなら、まつり縫いは針と糸だけ、裾上げテープはアイロンだけで仕上がります。どちらを選んでも先に決めるのは靴を履いた状態での丈で、切るときは折り返し分として4〜5cmを残します。
本記事では、丈の決め方、まつり縫いとテープの手順、ミシンや安全ピンを使う場合の違い、量販8社の公式サイトに載っているスラックスの数まで解説します。

SUIT HUB編集部
着こなしや手入れ、ネクタイをはじめとする小物選び、下取りやクリーニングまで、スーツにまつわる疑問を確認済みの情報だけで解説。記事には情報の確認時点を明記し、定期的に更新しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
裾上げの前に、靴を履いたスラックスの丈を確定する
ハーフクッションを目安に丈を決める
ビジネスで履くスラックスの標準的な丈は、靴を履いた状態で裾の前側が甲に軽く触れ、布が浅く一度だけ折れる長さです。
これをハーフクッションと呼びます。
裾が甲に乗らないノークッションは足元が軽く見え、布がたまるフルクッションは落ち着いた見え方になります。
どれかが正解という決まりはありませんが、職場で履く1本なら、実際に履く靴を履いて鏡の前に立ち、まち針かクリップで折り上げてから数字を決めてください。
スリッパや素足のまま測ると、靴底と甲の厚みの分だけ短く仕上がってしまいます。
左右の脚を別々に合わせる
人の脚は左右で長さがわずかに違うことがあり、片脚で決めた寸法をもう一方にそのまま写すと、裾の当たり方がそろいません。
右で折り上げたら、左も同じ姿勢で立ったまま折り上げて、それぞれにまち針を打ってください。
立ち姿勢は、体重を片足に預けずに両足へ均等にかけた状態にします。
ベルトを締めて普段の位置で履くことも忘れないでください。
ウエストの位置が2cm上下すれば、裾の当たり方も同じだけ変わるからです。
切る前に残す折り返し分
仕上がり線が決まったら、そこから4〜5cm下で切ります。
ここを惜しんでぴったりで切ってしまうと、折り上げる布がなくなり、縫うことも貼ることもできません。
折り返し分を多めに残しておけば、後で丈を伸ばす余地も残ります。
切る前に裾の内側を見て、糸始末の状態と裏地の有無を確かめておくと、折り上げたときの厚みの見当が付きます。
手縫い(まつり縫い)でスラックスを裾上げする手順
切って折り、アイロンで折り目を付ける
決めた仕上がり線の4〜5cm下で裾を切り、切り口を1cmほど内側へ折り込んでから、仕上がり線で折り上げます。
ここで当て布をしてアイロンを当て、折り目をしっかり付けてください。
この折り目が定規の代わりになるため、ここを丁寧にやるほど後の縫いが楽になります。
ウールは高温で当てるとてかりが出るので、洗濯表示のアイロン温度の指定に合わせて、当て布を挟みます。
折り上げた布は、まち針かしつけ糸で数か所留めておくとずれません。
表に響かせない針の運び方
まつり縫いは、折り上げた端の内側と本体の生地を交互に小さくすくう縫い方です。
本体側は生地の織り糸を2〜3本すくう程度にとどめると、表側にはほとんど出ません。
針を入れる間隔は7〜8mmほどで一定にして、糸は強く引きすぎないようにします。
引き締めると表に点状のつれが出てしまうからです。
糸の色は生地より気持ち暗めを選ぶと目立ちにくく、1周したら玉止めを折り返しの内側に隠して終わりです。
慣れていなければ片脚で30分前後かかります。
切らずに仕上げる折り込み
丈を元に戻す可能性がある1本なら、切らずに内側へ多めに折り込んで、同じようにまつり縫いで留められます。
布を裁たないので、ほどけば元の丈に戻せます。
ただし折り返しの内側に生地が二重三重に重なるため、裾の落ち方がもたつき、厚手の冬物ほど外からも分かります。
短期間だけ丈を詰めたい場合の方法と考えてください。
裾上げテープで仕上げる手順と、はがれやすくなる条件
テープを使う場合も、4〜5cm残して切り、折り目をアイロンで付けるところまでは手縫いと同じです。
アイロン接着タイプのテープは、水で湿らせてから折り返しの内側に挟み、当て布をして体重をかけるように20秒ほど押さえます。
アイロンを滑らせると糊が偏るので、押して持ち上げて隣へ移すという動きを繰り返してください。
両脚で15分ほどで終わります。
糊が残る生地と、洗濯で端が浮く理由
ウール100%の生地や薄手の夏物は、糊が繊維に残ると後から裾上げのお直しに出したときに縫い直しの手間が増えます。
表から糊の跡がてかって見えることもあります。
また、テープの接着は熱で溶けた樹脂が固まったもので、洗濯機で揉まれると端から少しずつ浮きます。
家で洗う回数が多い1本をテープで仕上げると、はがれるたびにアイロンで押さえ直す作業が戻ってきます。
テープは手芸用品店や量販店でも手に入りますが、幅と接着の強さが商品ごとに違うため、パッケージの対応生地の表記を見てから選んでください。
ミシンと安全ピン、それぞれが使える場面
家庭用ミシンにまつり縫いの模様が入っていれば、専用の押さえを付けて裾を折り返した状態で縫えます。
手縫いより早く、縫い目の間隔もそろいます。
一方で直線縫いで裾をぐるりと縫うと、表側に縫い目が一本回って出るため、ビジネスで履くスラックスでは目立ちます。
チノパンやカジュアルなパンツなら、その縫い目が仕様として成り立つこともあります。
安全ピンで裾の内側を留める方法は、その日をしのぐための応急処置です。
歩いているうちに布が引かれてピンが開くことがあり、生地に穴も残ります。
当日の朝に丈が合わないと気づいたときに使い、帰宅後に縫うかテープで留め直す流れにしてください。
量販8社の公式サイトに載っているスラックスの数と価格の幅
そもそも自分で縫わずに済ませたいなら、買う段階で裾上げの扱いを確かめる方法があります。
量販店の公式通販には、注文時に股下を指定すると裾上げをして発送する商品や、裾上げ済みの状態で届く商品が並びます。
商品ページでは、裾上げ加工の指定欄があるか、シングルとダブルのどちらを選べるか、加工後の返品可否がどう書かれているかを見てください。
2026年10月3日時点で各社の公式サイトに載っているスラックス(メンズ)は合計944種、掲載があるのは8社です。
| 店 | 公式サイトに載っているスラックスの数 |
|---|---|
| 洋服の青山 | 132種 |
| AOKI | 144種 |
| はるやま | 164種 |
| コナカ | 63種 |
| スーツセレクト | 65種 |
| ORIHICA | 187種 |
| P.S.FA | 182種 |
| ユニクロ | 7種 |
価格の幅は1,078〜78,890円(税込)です。
各社の内訳と商品の中身はスラックス(メンズ)はどこで買う?紳士服量販8社の価格比較で解説しています。
スーツ上下で買う場合の扱いはスーツ量販店はどこがいい?8社の価格・品揃え徹底比較で解説しています。
仕立ての段階で丈を決める場合
オーダースーツでは採寸のときに股下も測るので、裾上げは仕立てに含まれます。
仕上がり後の微調整をどこまで受けるかは各社が公式サイトに書いていて、麻布テーラーは「仕上がり品の微調整は注文日から6ヶ月間無料」、オーダースーツSADAは「仕立て後1ヶ月以内のサイズ調整無料/ウエスト±3cmまで3年間無料/全額返金保証(お渡し後1ヶ月以内・返却が条件)」としています(2026年10月時点の各社公式サイトの表記)。
仕立て方式や納期を含めた各社の条件はオーダースーツ専門店11社を比較|値段・納期・採寸方法の一覧で解説しています。
洗う回数が多い1本はウォッシャブル表記から確かめる
家で洗う前提のスラックスは、裾の仕上げ方と洗濯の相性を先に考えることになります。テープの接着は洗濯で端から浮くため、週に何度も洗う1本では、まつり縫いか購入時の裾上げ加工のほうが縫い目が残ります。
2026年10月3日時点で各社の公式サイトに載っている洗えるスラックスは612種、掲載があるのは8社で、価格の幅は1,990〜57,992円(税込)です。
ウォッシャブルの表記がある商品でも、洗濯ネットの使用・弱水流・陰干し・乾燥機不可といった条件が洗濯表示に書かれています。
表記だけで判断せず、タグの条件まで読んでから洗ってください。
掲載数と価格の内訳は洗えるスラックスはどこが安い?量販8社のウォッシャブル比較で解説しています。
よくある質問
スラックスの裾上げは切らずにできますか?
できます。
余った布を内側へ折り込み、まつり縫いで留める方法なら、裁たずに丈を詰められます。ほどけば元の丈に戻せる一方で、折り返しの内側に布が重なるため、裾の落ち方はもたつきます。
長く履く1本は切って縫うほうが見た目が落ち着きます。
裾上げしていないスラックスをそのまま履いてもよいですか?
未加工のスラックスは裾が床に届く長さで出荷されるので、履くと裾を踏んで生地が擦り切れます。
当日しのぐなら安全ピンで内側を留める方法がありますが、歩行中にピンが開くことがあり、生地に穴も残ります。
短期間でも、縫うかテープで留めるほうが裾は傷みません。
裾上げテープはアイロンなしでも付きますか?
市販のテープはアイロン接着を前提にしたものがほとんどです。
粘着だけの簡易タイプも売られていますが、数回の着用や座り直しの動きではがれてきます。
出先で使ったら、帰宅後にアイロン接着のテープへ貼り替えるか、まつり縫いで縫い直してください。
ダブル(折り返し)の裾も自分でできますか?
ダブルは折り返しの幅をそろえ、内側の縫い止めを隠す工程があるため、手縫いでは左右差が出やすい仕上げです。
幅は3.5〜4.5cm程度が一般的で、ここが1cm違うと見た目に差が出ます。
シングルは自分で、ダブルは裾上げを受け付けるお直し店へ、と分ける考え方が扱いやすいです。
スラックスの裾上げの料金はいくらですか?
裾上げの料金は、シングルとダブルのどちらで仕上げるか、裏地や裾の作りがどうなっているか、持ち込みか購入店での加工かによって変わります。
金額を公表していない店もあるため、お直し店か購入した量販店の窓口で見積もりを取ってください。
公式通販で買う場合は、商品ページの裾上げ加工の欄に加工料と納期の扱いが書かれています。
まとめ
スラックスの裾上げは、履く靴を履いた状態で丈を決め、折り返し分を4〜5cm残して切り、まつり縫いなら織り糸を2〜3本すくって表に響かせない、テープならアイロンで押して持ち上げて進める、という流れで自分でできます。
ウール100%の生地や家で何度も洗う1本は、糊の残りとはがれを考えると手縫いのほうが長く持ちます。
買う段階で手間をなくしたいなら、公式通販の裾上げ加工の指定欄とウォッシャブルの表記を確かめてください。
ぜひ本記事の丈の決め方と量販各社の掲載数の表を参考に、今ある1本と次に買う1本の仕上げ方を決めてみてください。





